陸上でジュニアオリンピックに出場した教え子の指導体験記

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指導に至った経緯

この教え子は、勉強は、自らやるということがほぼありませんでした。

なぜなら、大好きな陸上に気持ちの95%が向いていて、残りの5%で、しかも、気が向いたら勉強をする…という感じでしたので。

そのため、5段階評定で「2」があったりしました。

お母様も、「さすがに中1の1学期から、5段階評定で2が付くようではこの先が心配だ」ということで、中1の9月に指導依頼がありました。

また、「陸上においてもメンタル面のケアができる」というのも、依頼する際の後押しになったそうです。

初顔合わせ(オンライン上)

この教え子は「勉強が好きじゃない」ということもあり、最初は陸上の話からすることにしました。

実は、僕自身も、中学の時は陸上をやっていたので、陸上の内容は深い部分まで共感でき、心を開いてもらうことに繋がったかなと感じています。

教え子の話を聞いていると、自身が思う陸上の課題として「長距離(1500mなど)のレース終盤でシンドクなって来ると、急に走るペースが落ちる」との認識がありました。そして、その課題を解決したいと強く望んでいました。

そこで、「どうしたらシンドクなって来た時に、それでも踏ん張れるようになるか」を一緒に考えることにしました。

教え子自身にいくつか案を挙げてもらいましたが、どれも普段の練習で実践していることばかりだったため、決定的な解決策にはならないだろうな、とお互いに感じていました。

そこで、次のように提案をしました。

人って、辛くなった時・シンドクなった時、その人の本質が出るんだよ。

陸上は好きだから、誰に言われなくても、しっかりと練習すると思うけど、勉強は好きじゃないから、勝手にはやらないよね。

ということは、本質は、「辛くなったら逃げる」だった、ということだね。

じゃあさぁ、あまりしたくない勉強をすることで、「シンドクなって来た時に逃げない精神力」を身に付けたら、どうかな?

そうしたら、陸上でも、シンドクなってきた時にペースを緩めないで走れるようになると思うよ!

そうなったら、絶対にタイムが伸びるね!!

この提案がとっても響いたようで、この瞬間から聞く姿勢が大きく変わりました。

最初は、お母さんに言われて仕方なく話をしていた状態だったのが、この瞬間を境に、身を乗り出すような姿勢になり、顔付きも真剣な表情へと明確に変化しました。

また、これまで何の興味も関心もなかった勉強が、大好きな陸上の成績を上げることに繋がることを知った瞬間、大いにやる意味のある事へと、教え子の中で大きく価値観が変化しました。

まるで、無色透明だったものが、急に色鮮やかに、価値ある存在として目の前に顕になったように。

初回顔合わせは1時間ほどだったと思います。

中1・10月 指導開始

指導が始まってすぐの10月、「そろそろ中間試験なのに、勉強をする気が起きない」という相談があったので、次のように伝えました。

学校には、好きな先生も、嫌いな先生もいると思う。

でも、嫌いな先生も、授業をしてくれて、試験問題を作ってくれて、採点までしてくれる。

なら、試験の準備を完璧にしようとすることが礼儀なんじゃないかな?

もちろん、準備が終わらないかもしれない。点数があまり取れないかもしれない。

でも、そういう成績とかの話以前に、人として、礼儀として、しっかりと準備しようとする姿勢が大切なんじゃないかな?

スポーツで活躍している子なので、「人として」「礼儀として」という話はしっかりと伝わりましたね。

「意識」「思考」を変えれば、それ相応の行動がついてきます。

10月の指導開始時では「平均点を超えられたら嬉しい」という感じでしたので、2学期の中間試験ではそこまで良い成績ではありませんでした。

ですが、中1の学年末試験で、数学が89点を取りました。

そして、この点数について、教え子本人から感想を聞いてみると、

点数が上がったことは、素直に嬉しいけれど、計算ミスを2問していて、それが合っていたら93点だったので、悔しいです

との感想でした。

平均点を20点以上、上回っていても、自身のミスを悔しく思うこの姿勢。指導を開始してまだ半年も経っていないのに、勉強面に関しても逞しくなったなぁ〜と、非常にうれしかったです^^

数学は、中2に入っても好成績が続き、1年を通してずっとクラス2位でした。

また、中1の指導開始前に、5段階評価で「2」を取ってしまった国語も、指導開始してすぐに「3」となり、中2の間はずっと3を維持していました。

中3になると、新型コロナウイルスの影響で、中間試験がなくなり、期末試験だけとなりましたが、数学92点、理科86点、社会84点と、80点以上の科目が3科目という成績まで伸びて来ましたお母様も非常に喜んでいらっしゃいましたね。

陸上の成績

  • ジュニアオリンピック出場
  • 京都市内の大会で、中2の時に中3を抑えての優勝
  • 京都府 市町村駅伝のメンバーに選抜

中2 GW後の指導にて

GW中に京都市内の中1〜中3の全学年が一斉に走る大会があり、目標として宣言していた3位になりました。もちろん、中2のなかでは1位です。自己ベストも大幅に更新できた、素晴らしいレースでした。

僕は、指導中に、いつも振り返りをしてもらっています。

  1. うまく行った場合は、うまく行った理由を振り返り、
  2. うまく行かなかった場合は、うまく行かなかった理由を振り返る。
  3. そして、次に繋げるための作戦を一緒に考える。

…ということをしているのですが、この時もいつものように、「うまく行った理由」を振り返ってもらいました。

うまく行った理由は?

「レース前半の先頭集団の早いペースに慣れたから」と、最初は答えました。

でも、よくよく深掘りをして行くと、

レース終盤の苦しくなってくる時に、苦しくても踏ん張れたこと

だったのです。

これは、指導当初からずっとアドバイスをして来たことだったので、ピタッと戦略がはまったこと、そして、教え子が困難から逃げずに立ち向かい続けて来た努力を思って、非常に嬉しく感じたことを今も鮮明に覚えています。

中3・8月末の指導

実は、4月頭に腰を怪我してしまい、8月にあった復帰2連戦は、過去最悪のデキでした。

そのため、かなり落ち込んでいましたが、9月頭に大きめの大会があるとのことで、落ち込んでばかりは居らません。

そこで、大会の1週間前の指導で、次のような檄を飛ばしました。

『コンディションが悪くても結果を出す人は、多くの期待&責任を背負っている人だよ。』

『エースとして、チームを背負って立とう!』

『レースを自分1人のレースと思うのではなくて、チームを代表して走っていると思って走ろう!』

『エースの自分が頑張らなくて、誰がチームを引っ張って行けるの?』

『チームを背負うというのは、大きな責任を感じるだろうけど、これからの陸上人生で、もっと活躍して行けば、もっと大きな責任を背負うことになるんだからね。』

『チームを代表する(背負う)だけでなく、京都を背負ったり、ゆくゆくは日の丸を背負ったり、ね。』

『責任重大と感じると思うけど、プレッシャーに押し潰されてしまうのか、それとも、そのプレッシャーを跳ね除けて結果を出せるのか、今後を占う大事なレースになるね。』

9月頭・試合結果

とても大きな責任を感じていた教え子でしたが、やってくれました^^

3000mの自己ベストを6秒更新して、8分51秒になりました。

これで全国ランキングも、20位まで昇って来ました。
あと3〜4秒で、目標としている「全国大会入賞」圏内です。

お母様からのご報告では、いつも以上に、準備運動から気合が入っていたそうで、帰宅したら、「久しぶりに疲れた〜」と漏らしていたそうです(笑)

また、後日、次のようなご報告もありました。

怪我から復帰したばかりなのに、3000mで自己ベストを出したので、色んな人から「感動した」と言われました

色んな人から「感動した」と言われたなんて、僕もとても嬉しかったですし、教え子を誇りに思いましたね^^

9月末

10月16日〜18日に、日産スタジアムで行われる、ジュニアオリンピックに出場を決めました!

京都府では1位ですが、全国ではまだ20位なので、出場が決まっただけで満足することなく、さらに高みを目指してもらいたいですね。

指導当初からの想い

この教え子は、学校の部活と、所属しているクラブチームとで、週7で練習があります。つまり、毎日練習があります。

部活がないテスト週間も、テスト前日も、テスト当日も、どんな日も毎日、自主的に走っています。

とても陸上を頑張っている教え子なので、もちろん、できる限りの陸上のアドバイスもしますが、勉強の心配なんて微塵もないくらいの学力を身に付けてもらって、陸上に100%専念できる環境を作ってあげたい。

中間期末試験が近いからとか、高校入試が近いからとか、そんなことで陸上へのモチベーションが下がってしまったら、とってもモッタイナイことなので。

こんな想いで、中1の10月から指導をしていますが、中3の1学期末試験で、数学92点、理科86点、社会84点と、80点以上の科目が3科目という成績まで伸びて来ましたので、勉強面については上々の成果だと思います。

進学先

当初からの希望通り、陸上強豪校の洛南高校(100m走・桐生選手の母校)へ進学を決めました。

代表・大貫裕史プロフィール

人財育成の専門家。東京工業大学大学院にて天文学系と経営学系、2つの修士号を持つ。

  • 経営学系(大学院):飛び級で1年間での短期修了
  • 東工大(学部):ほぼ全科目1位飛び級の打診
  • 一橋大(学部):経営戦略論など全て最高評価A
  • 大学受験時:河合塾で数学全国1位(偏差値80)

・ハーバード大学の合格者平均よりも高い学力
・陸上でジュニアオリンピック出場
・芸術のコンクールで県最優秀賞
と、文武芸で結果を出す指導が評価されている。

心掛けていることは、「教え子の器を大きくし続けること」です。

器を大きくし続ける理由は、小さなコップに水を注いでも、すぐに満水になって、溢れてしまうからです。

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